正直に言うと、買う前はかなり懐疑的だった。
周りの同僚や後輩を見ればApple Watch率はそれなりに高い。
メリットを聞くと
- Suicaが使える
- LINEや電話の通知がすぐ見られる
- なんか便利
ということ。うーん……
それだけで数万円払うほどの価値、ある?
というのが本音だった。
学会がきっかけで「自分の運動習慣」を見直した
考えが変わったきっかけは、少し真面目な話になるけど学会だった。
僕はHIV診療に関わっているけど、最近のHIV領域の大きなテーマは
「寿命はほぼ健常者と変わらないけど、老化は早いので、生活習慣病の管理やがん予防などの長期的目線が重要」という点。だから、学会でもそれらの専門家をゲストとして呼んで、講演をしてもらうということも珍しくない。
じゃあ長期予後を良くするには何が一番大事かというと、
結局はとても地味で、
- 食事
- 運動
この2つに集約される。当たり前であるが、薬物療法以前の話だ。
厚生労働省が作成している身体活動・運動ガイド2023の「成人なら1日8000歩程度」が一つの目安として繰り返し出てきた。正直、耳が痛い内容……
これ、患者さんに言う前に自分はできてる?
と考えてみたら、全然できていない。
30代後半、運動不足は完全に自覚あり。
なぜスマートウォッチにしたのか
運動しよう、と思うのは簡単。
でも続かない、というのが大きな問題ではなかろうか。
iPhoneでも歩数は測れるけど、
- アプリを開かないと見えない
- 「今どれくらい?」が瞬時に分からない
この“ひと手間”が、地味にモチベーションを削る。何か起爆剤が欲しい。
そこで思いついたのがスマートウォッチ。
ただし、いきなりApple Watchを買う勇気はなかった。
今回選んだのは、
Xiaomiの3000〜4000円くらいの超シンプルなモデル。
ちなみにこれ。
続かなければそれまで。
続いたら、そのとき次を考えればいい、ということで学会終了後にポチリ。
スマートウォッチを買ってから、この3週間で起きたこと
今回買ったのは、Suicaも使えないし、決済もできないし、アプリ連携も最低限。
正直、
「今回もまあ三日坊主で終わるだろう」
くらいに思っていた。
ところが。
ランニング・運動習慣が1ヶ月続いている
これが一番の驚き。
- 週に何回かランニング
- ランニングしない日も歩数は気にする
- 「今日はまだ少ないな」と自然に思う
今までなら、
「今日は疲れてるし、まあいいか」
で終わっていたのが、
「あとちょっと歩こうかな」
に変わった。
そして、プラセボ効果かもしれないが、夕方ぐらいの勤務後の疲労感が格段に軽くなった。溜め息の回数が明らかに減った。
モチベーションアップが“予想以上”
一番効いているのは多分
手元で一瞬で数字が見えること。
- 今日の歩数
- 運動時間
- 目標まであとどれくらい
これを「チラッと見る」だけ。
いちいちアプリを開く必要もない。
この差は思った以上に大きかった。
正直、
「スマートウォッチでここまで変わるとは思ってなかった」
というのが本音。
これって僕だけ?
ここまで体感で効果を感じていたが、
これ、たまたま自分だけじゃないの?
というわけで、少しエビデンスを調べてみた。
スマートウォッチは本当に運動量を増やすのか?
ウェアラブルデバイスで「歩数・運動量は増える」
結論から言うと、
増えることが多い。
複数の研究をまとめたレビューでは、
- ウェアラブルデバイスを使用すると
- 1日の歩数が増える
- 中等度以上の身体活動時間が延びる
という結果が一貫して示されている。
増加量は研究によって差があるけど、
- 1日あたり1000〜2000歩程度増加
- 運動時間が数分〜数十分延びる
といった報告が多い。
なぜ増えるのか?キーワードは「可視化」
面白いのは、
「高機能だから効果が出る」わけではない点。
ポイントは、
- 目標が数値で見える
- 達成度がリアルタイムで分かる
この視覚的フィードバック。
行動科学の観点でも、
- 自己モニタリング
- 即時フィードバック
は、行動変容を起こす重要な要素とされている。
つまりスマートウォッチは、
意志の力を鍛える道具ではなく、行動を誘導する道具。
僕自身、
- 「今日はまだ3000歩か」
- 「帰りは一駅歩くか」
- 「エレベーターじゃなくて階段で」
こういう判断が、ほぼ無意識に増えた。
体重やBMIはどれくらい変わる?
ここは正直に言うと、
- 劇的には変わらない
- でも、わずかに改善する傾向はある
というのが現実的。
レビュー論文でも、
- 数kg単位の減量
- 明確な心血管イベント減少
までは示されていないことが多い。
ただし、
- 軽度の体重減少
- BMIの小さな改善
は、一定の傾向として報告されている。
個人的には、
体重を落とす魔法の道具
ではなく
運動習慣に入る「入口」
としての価値が一番大きいと思っている。
第三者と共有すると、さらに効果が出る?
これも興味深いポイント。
- 医療者
- トレーナー
- 家族
など、第三者とデータを共有すると、
- 継続率が上がる
- モチベーションが維持されやすい
という報告もある。
理由はシンプルで、
見られている意識
が働くから。
北欧やアメリカでは、
- 歩数
- 心拍数
- 睡眠
などのウェアラブルデータを、
医療者と共有する取り組みも実際に行われている。
日本では予防医療に対するインセンティブが全くないというのが個人的には問題だと思うが、どうやって実践するという議論も必要。
それを考えると、
予防医療との相性はかなりいいと個人的には思う。
安いスマートウォッチのデメリットも正直に
もちろん欠点もある。
スマホを持たずに走れない
職業柄、急な電話を無視できない。
本当はスマートウォッチだけで走りたいけど、結局iPhoneは携帯。
LTE対応モデルなら解決するけど、値段は一気に跳ね上がる。
Bluetoothが時々不安定
たまにiPhoneとの同期が切れて、
- ブルブル震える
- 「同期してください」が連発
仕事中に起きると、正直ちょっとストレス。
ここは安さゆえの弱点なのか。
結論:3000〜4000円でも、費用対効果は十分すぎる
正直、
もう元は取れたと思っている。
- 運動習慣が3週間続いている
- 行動が確実に変わった
- 数字を見るだけで意識が変わる
多分、ジムの1ヶ月分の月額料金ぐらいと考えると、かなり安いのではなかろうか。
この習慣が2〜3ヶ月続いたら、
そのときはもう少し高いウェアラブルデバイスを買ってもいい。
でも、
最初は安物で十分
これは、今回かなり確信した。


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